『クレイマー、クレイマー』

フレンチトーストといえば

仕事で、スイーツの記事を執筆している。先週書いたのがフレンチトーストについてだった。最近は仕事が忙しいフリをして、あまり映画をしっかり観ていなかったのだがフレンチトーストを食べていた時、ふとこの映画を思い出して観た。

久しぶりに映画を鑑賞したせいだろうか。とっても心に沁みたのだ。
どんなに忙しくても映画を見る時間が、私にとって大事なリラックスタイムのひとつ。

改めて教えてくれてありがとう。ダスティン・ホフマン。

あらすじ

結婚生活8年目を迎えたテッド(ダスティン・ホフマン)とジョアンナ(メリル・ストリープ)。ジョアンナは仕事第一主義の、テッドに愛想を尽かし、疲れた自分を見つめ直すためある日、家を出る。

家には、父のテッドと息子のビリーだけ。突如、2人暮らしの生活がスタートする。

最初は距離があった父と息子だったが、一緒に生活するなかで失敗やケンカを乗り越え、だんだんと心が通じ合い二人で助け合って暮らしていくようになっていく。

テッドとビリーの間に深い絆が生まれた頃、息子の養育権を主張するジョアンナがテッドの前に現れます。二人はビリーの親権をめぐり裁判で争うことに。

私的映画観
「おいしそうじゃないのに、魅力的なフレンチトースト」

やはりこの映画といえば、フレンチトースト。

前半のシーンでは、決して上手に作れているわけではないことを知っておいてほしい。映画のタイトルとフレンチトーストというキーワードだけが1人歩きしてしまっているイメージ。もしかしたら最初からダスティン・ホフマンが、完璧なフレンチトーストを作ってしまうと勘違いしている人もいるかもしれない。

テッドとビリーの絆の深さに、比例してフレンチトーストがおいしくなっていくのだ。(それはそれで不思議だけど詰めるのは野暮)。後半の2人に会話がなくても、スムーズにフレンチトーストを作ってしまうあの感じがたまらない。

でも個人的に、推したいのは前半のシーン。家事にも仕事にも追われて、さらには愛する人からも逃げられた翌日の朝一から子供のためにフレンチトーストを作るというココロの余裕が素敵だと思う。卵を片手で割って、ドヤ顔して楽しませようとか。正直、今の現代人にそんな心の余裕なんてきっとない。

全然おいしくないフレンチトーストを作って、2人の関係がギクシャクしている描写かもしれない。しかし、その朝のフレンチトーストにこそ親としての愛を感じる。

(でも、トイレから出て手も洗わず生卵を直接手でかき混ぜるのはやめてほしい。)

監督
ロバート・ベントン
出演
ダスティン・ホフマン
メリル・ストリープ
ジャスティン・ヘンリー