the Wesley Anderson
今回紹介するのは、ウェス・アンダーソンの入門編とも言える映画だ。
最初に見たのは学生の時。カラフルなタッチと夢のような世界観が印象的だった。
ウェス・アンダーソンの美意識をそのまま押しつけられた。
きっと、この映画のテイストがダメならウェスの映画はきっと全部ダメであろう。
ドキュメントなのか、それにしてはやけにポップでカラフルすぎるし
かといって、非現実的すぎるわけではない。
急に差し込む変な画角、ただ不思議と違和感を感じず次の描写に対するワクワクがずっと止まらない。
この映画というよりは、ウェス・アンダーソンの紹介みたいになってしまったが、この映画のあらすじはこんな。
あらすじ
ヨーロッパ随一の超高級ホテル、グランド・ブタペスト・ホテルを舞台に物語は進む。
その名門ホテルで手腕を発揮するコンシェルジュを務めるムッシュ・グスタヴ・H。
ムッシュは、ホテルの利用客の中に沢山の愛人を抱えている。
そこに、グランド・ブタペスト・ホテルでベルボーイを務めることになるゼロ・ムスタファはふとしてことからグスタブと行動することに。
ある日、富豪の常連客が殺された事件でその犯人の疑いをかけられたグスタヴは、ゼロと共に、ホテルで起きた殺人事件の解明に奔走していく。
その事件をきっかけに、複雑に色んな人の思惑が交差し、さまざまな事象が絡み合う。
私的映画観
「ポップな世界の裏の重いテーマ」
僕が、ウェスの映画が好きな1番の理由。
20代のちょい映画好きに大人気なウェス・アンダーソンの映画達。
小モノや、ポップな色使いのメルヘンチックな世界観に魅了されていくのだろう。
しかし、毎回映画にその国特有の環境問題、政治的な背景が紐づいている。普通にドキュメントとして観たら重過ぎるテーマが要所で出てくる。
『グランド・ブタペスト・ホテル』でも大小関わらなければ、そのネタが散りばめられている。
富裕層が泊まれるホテル。
街を出ると、顕著に感じられる貧富の差。
電車で身分を確認して移民、ここではゼロのことだが移民に対しての厳しい反応。
ボーッと干渉していると気づかないのだが4つの時代を時間軸に展開されていて
その時代ごとの服や、小物からその時々のトレンドだったり、裕福さがよくわかる。
いってしまえば、全部のシーンでその気づきが生まれて、テーマになった国や問題を調べたくなってしまう。
この私的映画観をすぐに共感したければ、ウェスの『犬が島』を見るのがいい。
舞台は日本で、ゴミでできた島に犬が捨てられコミュニティができているあたりが、遠回しにいや、もう直接的に問題提起されているなと感じる。
日本人の少し冷たい様子も細かに表現されていて、それを外国人が作り上げていると思うと末恐ろしい。
つまり、ウェスはポップに10代の女の子も見れる映画を作りつつも、世界中で起こっている問題提起旅行を自身の作品で飛び回っている。次はどの国の問題がウェスマジックによって、SNS映えな映像として製作されるのだろうか?恐ろしい。