私的映画観
「甘い気持ちで見られへんで」
今回紹介したいのはそんなアニメ業界で奮闘する人たちを描いた作品「ハケンアニメ!」。アニメの制作現場といえば、ずいぶん昔にYouTubeで観たスタジオジブリをイメージ(わがまま宮崎駿が、ワントップでチームを従えてゴリゴリ進める)していたので、この映画はとても斬新なに感じた。タイトル通り、”ハケン=覇権”を巡って進む様子はまさに”戦争”。グッズなどの2次利用や、視聴率、作品のインパクトへのこだわりが描写されて、その”戦争”がリアルに表現されている。
アニメの伏線と、ストーリーの本筋もうまく絡み合っていて最後までどうなるか分からないハラハラ感にも、心が躍るはずだ。
ぜひこの映画を見て、血の滲むような制作の裏側を知ってほしい。そうすれば、アニメを見るときもそんなことがあったのではないかと違った楽しみ方ができるだろう。
あらすじ
アニメプロデューサーの有科香屋子(小野真知子)は、天才アニメ監督と言われる王子千晴(中村倫也)の作品「光のヨスガ」の大ファン。 そんな香屋子が口説きに口説き、ついに王子は9年ぶりに「運命戦線リデルライト」の制作に挑むことに。 同じクールには、新人監督の斎藤瞳(吉岡里帆)とプロデューサーの行城理(柄本佑)がタッグを組んだアニメも放送される。アニメ業界で監督デビューのチャンスをつかんだ斎藤瞳は、現在崖っぷちのスター監督・王子千晴と争うことに。瞳は敏腕プロデューサーに振り回される一方で、千晴には彼の才能に人生をかけるプロデューサーがいた。ふたりはアニメの頂点・アニメ界の覇権を巡って激しい争いが繰り広げられる。